人事・労務の玉手箱掲載原稿 2013年度掲載

時には「ハッタリ」が大事なワケ。

投稿日:2013年8月30日 更新日:


最近はあまりビジネス書を読まないのですが、これは琴線に触れる部分が多かった。「不格好経営」、株式会社DeNAの創業者、難波智子さんの本です。この本ではDeNAさんの創業から現在までのストーリーが難波さんの視点で自伝的に書かれている本です。

この企業のわかりやすい話題は、代表的なソーシャルゲームサービスであるMobage(モバゲー)や、横浜ベイスターズの球団経営だと思います。少し前は、“課金制のゲームで子どもがお金をすごい突っ込んじゃったケース”が社会的問題になりました。そういう“一面”もあります。ですから、提供しているサービスの是非については各々見解が違いますので、それは横に置いておきましょう。

それよりむしろ、この本には「熱」があっていいんですよ。いろんな“熱”を帯びたヒントの1つを紹介します。

「正しい選択肢を選ぶこと」は当然重要だが、それと同等以上に「選んだ選択肢を正しくする」ということが重要になる。
(不格好経営P205より引用)


これ、あなたもピンと来ませんか?
私、すごいピンと来るんですよ。なぜかって、苦い経験があるからです。前職で入社4年目にもなって、こんな失敗をしているからです。

私は先輩の同行で、あるクライアントに提案を行いました。その時のベストの提案だったと記憶しています。しかし、クライアントは渋い顔。口では「そうですね。やってみましょう。」と言いますが、その言葉通りにはならないことが容易に予測出来ました。そこで、私は上司に尋ねます。

———————————————————————————
唐木:「〇〇さん(社名)、提案、やりますかね?」
上司:「あんたの提案は正しいと思うよ。でも、やらないね。」
唐木:「なんでやらないんです??」
上司:「あんた、それは本当に相手のやりたいことなんか?」
———————————————————————————


おわかりですよね。いくら正しい選択肢を提示しても、相手が理解出来なかったり、心から納得出来ない、同意出来ない場合、正しい選択肢は間違った選択肢に変わります。

一方、稚拙とも言えるアイデアや、一般的に見て失敗確率の高そうな実行策が大化けすることがあります。これこそ「選んだ選択肢を正しくする」ことに他ならないでしょう。

私も、コンサルティングで選択肢の精度に執着しすぎないようにしています。それよりも、“ノリよく”選んでもらうようにしています。そのスタイルに切り替えたことで、成功確率が圧倒的に上がっています。

さて、「儲」という字は、信じる者と書きます。
実行前に必要以上に情報を集めたりその精度をネチネチと上げたりすることは無駄です。それより、選んだ選択肢を信じた方が早いし、成功確率が高い。そのためには、経営者、リーダーは時には「マジック」をかけること。それは時にはただの「ハッタリ」かもしれません。かけ方は人それぞれ。タネも仕掛けもある「マジシャン」の要素が必要なのです。

信じる者は、救われる。


-人事・労務の玉手箱掲載原稿, 2013年度掲載

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