人事・労務の玉手箱掲載原稿 2013年度掲載

口を挟みすぎるリーダーvs丸投げリーダー。

投稿日:2013年9月30日 更新日:


企画は立ち上がるものの、物事が全く進まない組織があります。

昔お付き合いのあったある病院では、何でもかんでも院長がやりたがりました。しかも不運なことに、本人にはその自覚がありません。本人はスタッフに任せているつもりですが、スタッフは「任されている」とは思っていません。

スタッフから上がってきた意見や工夫はなんだかんだいって採用しない、
途中で口を挟む機会が多い、
挙げ句の果てには決まって進んでいたことを途中でひっくり返すなど、落ち着きがない。

結果、スタッフは自ら意見や提案をすることをあきらめ、指示待ち族の集団が出来上がるわけです。これじゃ何も進まない。せっかく立てた企画にもよいものがたくさんありました。でも、こういった進め方を続けると、そのよい企画も水の泡になってしまいます。

一方、クライアントのデイサービス。ここでは企画が進みやすい。

最近、「カフェコーナー」が新設されましたが、そこにはいろんな飲み物が置いてあって、ご利用者が自分で何を飲むのかを選択できるコーナーです。なんでもかんでもお世話することで自立心を奪うのではなく、自ら考え、自ら行動し、自ら選択する。そんな自立力を、小さなアクションによって養う取り組みです。

その取り組み内容はさておき、面白かったのは、想像以上に素敵なカフェコーナーができたこと。

お手製のスペースですが、女性ならではの発想や空間デザインがとても活かされた素敵な空間に仕上がりました。女性スタッフがイチからデザインを考え、わざわざパースのような絵を描き(これがよくできている)、ホームセンターで資材を購入したりしながら、自分からおもしろがって取り組んでいました。

こちらは本当に丸投げといってもよくて、私たちが伝えたのは「企画の内容とその意図」と「事例写真」だけです。それだけで物事が進み、結果、想像以上の創造が生まれました。

両者の違いは「トップや指示する人が、結果を手放しているかどうか」です。自分の器におさめようとすれば、想定内のモノは出来ます。でも、それ以上にならない。自分1人の考えなんて、大したことないのです。

かくいう私も、苦い経験があります。昔はコンサルティングで「結果を手放せない」ことが多かったものです。
その当時のコンサルティングの特徴は「1から10まで言う通りにさせる」スタイル。ノウハウはしっかりしていますのでちゃんと結果は出ますが、びっくりするくらい働く人が疲弊してしまうし、相手との関係性も悪くなったんです。当たり前ですよね。誰も道具のように扱われたくないですから。今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。

だからこそ、今、この文を読んでいる社長、リーダー改めて自問自答してほしいのです。「部下を本当に信頼して任せていますか?」という問いを。

任せた仕事で想像以上の結果を得るためには、結果を手放すことが大事。そのためには、本当に相手を信頼できているかどうかが大事なのです。だって、それをできるのは、社長、リーダーだけですよ。自立心を奪われた被害者を出すのか、才能を開花させてあげるのか。

それは、社長、リーダーの関わり方1つで決まるのです。

-人事・労務の玉手箱掲載原稿, 2013年度掲載

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