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すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる。

投稿日:2014年6月11日 更新日:


こんにちは。唐木です。
この本、とてもよかったです。


奇跡の教室 (小学館文庫)

だいぶ前に買っていて、本棚の奥の方で静かにその時を待っていてくれたわけですが、ようやく日の目を見る時が来たようです。やはり本を開くのもタイミング。必要な時にタイムリーな話題が飛び込んでくるものです。


さて、この本の印象的な箇所の一つを引用します。

その日から敏充の目には、大阪・八尾の自宅までの行き帰りなど、それまで自分にとって無味乾燥にしか感じられなかった神社や寺社の名前、料理店や駅の看板などが、すべて意味のあるものとして映るようになった。
引用:奇跡の教室より


もし、自分がこの「敏充さんだったら」と考えると、この瞬間は目に見えている景色がガラリと変わった瞬間であり、その後のモノの見方、見え方、思考方法といった「学習方法」が、180°変わるターニングポイントだったんだろうなぁと想像してしまいます。それほど、衝撃的な瞬間だったのではないかと思います。なんせ、すべてが自分事になり、モノの見え方がまるっきり変わるわけですから。 興味の扉が開かれたわけです。


今では灘校は超進学校として有名ですが、学制改革によって6・3・3・4制に移行した当時(昭和22年頃)は、そうでもなかったみたいです。その後はご存知の通りの進学校になるわけですが、その大きな一翼を担ったと思われる橋本先生の国語の授業はこのようなものです。

「銀の匙という文庫本1冊を、3年間かけて読み込む」

この本では、スロウ・リーディングという表現が用いられていますが、その名の通り、横道にそれながら主人公の追体験をしていく授業になっています。 たとえば、本の中で「丑紅(うしべに)」という言葉が出てきます。それを追体験するために横道にそれる。丑→十干十二支について→甲子園の由来→還暦…という風に、紐付けながら脱線して行く。1冊の読み込みを軸にして脱線する事で好奇心を育て、モノの見方、展開の仕方、調べ方、身につけ方を学ぶわけです。

「正解よりも自分の興味に忠実であれ」

という一文がありますが、まさにこの通りで、これが本来の学習だと思います。自らの興味を軸に自ら調べ、その知見を自らの知肉にしていくわけです。 そうやって育った人は強い。だって、情報に惑わされず、自分の頭で考え、自分で行動し、自分で解決策を見つけられるわけですから。


ビジネスの現場って、これと逆のことが多い。
一般的には、誰でも簡単にスグ売上が上がる方法が善とされています。取組みから結果までがインスタントに、スピードをもっと実現される。そうじゃないと投資対効果がないとされている。 そんなのは劇薬と一緒で、キッツイ副作用があるわけです。もちろん、それが必要な時もありますから、必要なときは使います。ですが、劇薬を連続注入し続けると死んじゃいますよ。

この本にも書いてありますが、

「すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる」

ということです。 すぐに役立つノウハウの注入よりも、興味を掘り出し、自ら考え、行動し、解決する力をつける。時間はかかるけれど、その方が確実だと思います。だって、社員の数以上に興味があり、社員の数以上の解決策の数があるわけですから。急がば回れっていいますしね。

すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる

-トレンド, 自分マネジメント, 本のレビュー+私見, 自助努力による成長へのヒント

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