トレンド 長期利益のマーケティング 伝わる価値の伝え方

操作主義なマーケティングはやればやるほど自滅な件

投稿日:2014年7月28日 更新日:


こんにちは。唐木です。

むかーし、専門学校のコンサルティングをしていた時、歩留り率(成約率)を上げる方法がありまして、それを一言で言うと「順番」でした。
オープンキャンパスという舞台で、体験、集合、個別の説明などを行うわけですが、その中で伝えるべきことを、しかるべき「見せ方」で、しかるべき「順番」で伝えます。 すると歩留り率(成約率)が20〜30%だったのが、それだけで65〜85%まで跳ね上がりますから、伝える順番がいかに大事かということです。


で、伝える順番のその「中身」ですが、実はたった3つです。

1. その学校の信念体系(方針)
2. 商品価値(=あなたが将来どうなれるか)
3. 他校との違いは何か

これらを適切な見せ方、適切な順番で配置すること。これだけでよかったのです。

ただ誤解を招きやすいのですが、このやり方はあくまで「本来そこにある形を適切な見せ方と順番でわかりやすくお届けする」ことが目的ですから、あくまでプレゼンを磨くことであり、操作主義ではないということ。とはいえ、このあたりはいくら伝えてもグレーなんですよね。「 100%操作主義じゃない!」と言い切ることは難しい。


さて、この業界であれ他の業界であれ、このやり方はだんだん通じなくなってきているように思います。
専門学校などは商品そのものの差別化がしづらい業界ですから、いくら適切な順番で配置をしたからといって、そもそも不良品であるものは売れないし、売ってはいけない。 「不良品」を売っている学校ないし会社がいくら見せ方や順番を変えても、それはただのダマシであり、操作主義になります。

ちょうどそんなことを考えているとき、田坂広志さんと糸井重里さんの昔の対談をご紹介いただきましたので、ちょっと見てみましょう。

田坂:
私が今、心配しているのは、マーケッターが100人いると、99人くらいが、操作主義に陥る点です。

糸井:
なります。嫌いです。

田坂:
なるでしょう?操作主義のひとは心構えとして、「消費者がこう考えて欲しい」と思うのです。もう一歩進めて言うと、「こういう風に考えさせてやろう」という風に、走ってしまうんです。

操作主義のひとの使う言葉は、それがどんなにエレガントなものであっても、本音は、「あいつにこのように感じさせてやれ」というものです。 これは現代の病だと思います。

糸井:
病ですね。相手を人格として認めていないほうに、必ず行くわけですから。
マーケッターがうれしそうに「俺が黒幕なんだ」言っているけど、それは磁石に砂鉄を集めているようなもので、「砂鉄にだって、意志があるんだぞ」と言いたくなる。


特にここ、

操作主義のひとの使う言葉は、それがどんなにエレガントなものであっても、本音は、「あいつにこのように感じさせてやれ」というものです。

ここなんですよね。いいかげんここを見抜ける人が増えて来た。ウソや、操作的な相手の意図が直観的に捉えられるようになってきた。いろんな要因がありますが、そういう変化は確実にあると思います。


その点に関しては、アンパンマンの作者、故やなせたかしさんも、自身のインタビューでこう答えられています。

それと児童書の仕事をするようになってわかったことは、幼児向けの作品は、幼児用だというのでグレードをうんと落とそう、というふうに考えるんですね。そうして文章も非常に短くする。僕もそれを要求されたけど、それは違うんです。不思議なことに、幼児というのは話のホントの部分がなぜかわかってしまう。難しいことばとか、そういうこととは無関係なんです。
「何のためにうまれてきたの?」より引用


つまり、本来、人間には「ホントのこと」「本質的なこと」がスパッとわかる能力がちゃんとあるということです。


と、いうことは、冒頭で「伝えるべき内容」について
1. その学校の信念体系(方針)
2. 商品価値(=あなたが将来どうなれるか)
3. 他校との違いは何か
の3つでいいと言いましたが、「大事な前提」が欠けていることになります。

それは、「誰が言っているか」です。

その「誰か」は、「実績のある人」かもしれませんし、そもそも「人として信用ができるか」ということが大事だと思います。人として信用できる人はもちろんですが、本当に実績のある人は相手を操作する必要なんて大してありませんし、そういうニオイは何より「伝わるもの」だと思います。

だって、子供の頃から「ヘンな人にはついて行っては行けません」って言われていたわけですから。



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