長期利益のマーケティング 人事・労務の玉手箱掲載原稿 2014年度掲載 ベースとなる考え方

小さい会社のための「利益を生み出すポートフォリオ発想」。

投稿日:2014年8月30日 更新日:


性格からビジネスモデルをつくる。社員の能力と仕事を結びつけ、その結果として業績を伸ばすことですが、ここ2回は「人の成長」に焦点を当てたコラムをお届けしました。そこで今回は、「会社のビジネスモデルそのもの」、つまり、「売上や利益の出し方」に焦点を当ててみます。

思い起こしてみると、私は新入社員当初、町のスクール(習いごとなどの教室)のコンサルをさせていただく機会が多数ありました。売上規模が非常に小さいため、むやみに販促をかけることができません。そのため「リターンは小さくてもリスクを少なくし、着実に売上・利益を積み上げる発想」が最初に身についたと思います。

では、「そのためにはどうすればいいか?」ということですが、次のパソコンスクールの例をご自身の商売に置き換えて考えてみて下さいね。

当時のパソコンスクールは、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)などのいわゆる「高単価資格講座」がヒット商品でした。スキルを磨くと同時に、資格を取得してキャリアに磨きをかけようというお客さんが多かったのです。そんな需要がありましたので、スクールによってはバカスカ「売れてしまった」わけです。

今思えば“バブルのようなもの”だったのでしょうが、バブルはバブルの渦に巻き込まれているうちはバブルと気づきにくいものです。資格講座自体の賞味期限が近づいて売れなくなって来たとき、今度は単価の高さが逆に足かせとなり、資格講座に頼っていたスクールはガタッと売上を落とします。そこで初めて慌てるわけです。

で、その解決策ですが、それは「月謝制をベースにする」ことです。
これはかなり心理的抵抗があります。

月謝は単価が低いため、コツコツとお客を積み上げ、長く通っていただかないといけない。

一方、資格講座は一発売ればドカンと儲かる。しかも、当時は流れに乗っていたわけですから、苦労なく売れる。こっちの方が「楽して儲かる商品」なわけです。だからシフトできない。

しかしよく思い出して下さい。私は月謝制を「ベースにする」と言いました。
オールオアナッシングではない。

まず、月謝は継続性があるため、安定した売上が見込める。ただし、単価は低い。
一方、資格取得講座は単価が高いのでよい儲けになる。ただし、月によって受注に波があるので、売上は安定しない。

と、いうように、商品にはそれぞれに「性格」があり、長所もあれば短所もあるわけです。だったら、それぞれの長所、短所を踏まえた上で商品構成を組み立てた方が手堅いわけです。

当時のパソコンスクールの場合、月謝で売上のベースを安定的に確保し、資格講座をボーナス的に捉える。これが一番売上が安定しますし、精神衛生上も健全です。もちろん、ボーナス的に捉えるといっても、ただ口を開けて待っているのではなく、必要だと思うお客にはちゃんとお勧めするわけですが。

とにかく、商品にはそれぞれ「性格」がある。それらをうまく組み合わせることです。これをポートフォリオとか言うのでしょうが、そんな用語よりも、手持ち商品の「性格」を理解した上で組み立てていくことが大切だと思います。

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