人事・労務の玉手箱掲載原稿 2014年度掲載 組織論・チーム論的なもの チームづくりのヒント

仕事はお金か?やりがいか?

投稿日:2014年11月30日 更新日:

人が働くモチベーションを支えるものは何でしょうか?成果主義に代表されるような「お金」かもしれませんし、仕事そのものの「やりがい」かもしれません。あなたはどう思いますか?

 

こんな実験がありました。心理学者デシが行った実験です。1971年頃のものだったと思います。
まず、実験室に大学生を1人だけ入れてパズルを解かせます。パズルは大学生でも面白い内容のもの。1つあたりの制限時間は13分で合計4個のパズルを解かせます。ここまでを1セッションとし、合計3セッション行ってもらいます。

 

 

各セッションの第二パズルと第三パズルの間に8分ほどの休憩を取らせ、実験室には灰皿や雑誌等を用意し、「実験室を出る以外は好きにしていい」という条件を与えました。

 

これを何人もの大学生に行ったのですが、一部の大学生には「ある条件」を付け加えました。

何か?

第二セッションの途中で、解いたパズルの個数に応じ、1個あたり1ドルの報酬を支払ったのです。

 

するとどうなったか?

自由時間にパズルを解いていた時間が短くなったのです。自由時間にも熱中してパズルを解くのではなく、休憩に使うようになった。

 

一方、報酬のことを知らされることも与えられることもなかった大学生は、休憩中にパズルに触れる時間が逆に長くなったようです。
つまり、この実験から導きだされる結論は、金銭的報酬により生産性は上がるどころか下がってしまう(ことが多い)ということです。

 

さて、この実験に関してはおおよそこう結論づけられていますが、私、「本当にそうなのかな?」と思うのところがありす。被験者とシチュエーション次第ではそうとは言えないはず。

 

先日のカンブリア宮殿、ホームセンターのカインズさんの特集でした。いろんな施策がありますが、その中の1つに「報奨金制度」があります。いろんな企業でも導入されていますよね。業績や予算達成度合いによって、パートさんやバイトさんにもちょっとしたボーナスを払うというものです。

 

これ、結構うれしいと思うんですよ。出ておられた女性のパートの方も「いくらあるかドキドキしますね〜」と、うれしそうに明細を握りしめていました。周りの主婦の方数人に聞いても、「ちょっとプラスでもらえるのって、結構助かるんだよね〜」という意見が多く出ました。

 

つまり、前提が違う。

 

この実験での被験者は大学生。確かにパズルは知的好奇心をそそる面白いものだったのかもしれません。ですが、パズルに「お金」を支払うことで、「パズルを解くこと=お金のためのバイト」に変わってしまった可能性があります。

 

一方、人によっては「確かに仕事は生活のための手段だけれども、やっぱり自分が直接お客さんの役に立てると純粋にうれしい」という方もいます。いわゆる「やりがい」が、身体に染み付いている。そういう人は、たとえ報奨金をもらっても、報奨金のため“だけ”に働くのではないといえます。

 

だからこそ、何より「働く意味」を伝え、「やりがい」を身体に染み込ませることは大事。ついでに、お金でも還元出来る方がいい。二者択一でどっちかという話じゃない。私はそう思います。

 

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