人事・労務の玉手箱掲載原稿 組織論・チーム論的なもの チームづくりのヒント 2015年度掲載

なぜ、マニュアルは定着しないのか?

投稿日:2015年1月31日 更新日:

 

・マニュアルが効果を発揮するケース

「無印良品は仕組みが9割」という本があります。この本では無印良品がV字回復したということで、その原動力となったのは「マニュアルを中心とした仕組み化」だったようです。

 

「マニュアルを中心とした仕組み」をつくることで、属人的な勘や経験に頼らない方がよい部分に関しては「標準化」を進めていく。そうすれば、経営の中で「読める部分」が増えていき、結果が安定します。非常に面倒で地道な選択を行い、「業績がよくなる小さい事実」を積上げて行った。これがよい点です。事実の集積なくして業績回復はあり得ませんからね。

 

この本にも一部掲載されていますが、そのマニュアルはいたってシンプルで、特別なものではありません。しかし、同じようにマニュアルを導入している会社でも、うまく使えている会社とそうでない会社に分かれます。むしろ、後者が大半を占めるでしょう。

 

さて、その違いは一体何なのでしょうか?

 

私もこれまで何度もマニュアルを作ったことがあります。そこで、その失敗経験も含め、「マニュアルを業績につなげるポイント」を3つにまとめてみました。拍子抜けなポイントですが、いやいや、拍子抜けだからこそバカにして出来ないものなんですよね。

 

 

・マニュアルを業績につなげる3つのポイント

1.「前提」を整えること

物事にはタイミングがあります。マニュアルの導入にも適したタイミングがあります。セミナーや本で情報を仕入れたり、コンサルタントにそそのかされたりすると、興奮した社長は「今すぐにでも導入したい!」となるでしょう。
しかし、そんな時ほど一度立ち止まり、冷静になるべきです。温度差がある状態で導入するのではなく、実行するメンバーが「よくなるためには改善の積み重ねが必要だ」と思える状態になること。そのためには、あえて業績が伸びない期間を過ごさせることも必要かもしれません。

 

何にせよ、課題があるからそれに即して必要な対策に取り組むわけです。その課題を正確に認識してもらい、対策としてのマニュアル化や仕組み化への取組みに「前向き」になってもらうこと。この前提を整える行為がなければ、マニュアル化や仕組み化にも着手できないはずです。

 

 

2.参加型の「プロセス」に仕立て上げること

部署別に業務改善委員会を立ち上げる、勉強会を通じてマニュアルや仕組み化づくりを行うなど、メンバーの手により議論と製作を行うべきです。その後のビジュアル化等はコンサルタントをはじめとする外部の人間にアウトソースしてもよいですが、議論や製作の工程をアウトソースしてはいけません。
これは、手間をショートカットしているようでかえって手間がかかる典型的な例。使われないマニュアルや仕組みができ、すぐに「あれは一体何だったのだろう」となります。

 

 

3.「検証と改訂」を加えること

よく「マニュアルはつくって終わりではない」と言われますが、これはその通りだと思います。ですが、難しい。あくまで、マニュアルに完成形はなく、いつまでも「たたき台」として存在するもの。取組みの経過を見ながら、必要でなければやめればいいし、違うなら変えればいい。マニュアルや仕組み化はあくまで改善の風土を根付かせるためにあるもの。作るだけで万事解決の魔法の杖ではありません。

このように、前提、プロセス、アフターの検証と改訂を丁寧に行うことが大事。急いては事をし損じるということです。

 

-人事・労務の玉手箱掲載原稿, 組織論・チーム論的なもの, チームづくりのヒント, 2015年度掲載

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